住宅や土地の所有者は、毎年固定資産税を支払っていると思います。
この固定資産税ですが、実は解体工事を行う前と後では税額が変わってくるのです。
では、どのくらい税額が変わってくるのか、なぜ税額が変わるのかを今回ご説明いたします。
解体工事後の固定資産税は上がるの?
建物を解体すると、所有者は建物の固定資産税を支払う必要がなくなり、土地のみの税金を毎年収めることになります。
今まで建物と土地の分の税金を支払っていたものが土地のみの支払いで良いとなると、税額が安くなるような感じがしますよね?
実は、税額はむしろ「上がって」しまいます。
さて、これは一体なぜなのでしょうか。
固定資産税の仕組みについてご紹介しますので、正しく理解しておくようにしましょう。
そもそも固定資産税とは何か?
そもそも固定資産税が何かご存知でしょうか。
これは、建物や土地、償却資産などの「固定資産」の所有者に課される市町村税のことを言います。
固定資産税は、土地の固定資産評価額に1.4%かけた金額で算出されます。
この固定資産評価額は、宅地・畑・田・公園などの土地の種類(地目)によって変わり、同じ広さの土地や建物でも地目によって税額が変化していきます。
算出方法については、後ほどご説明したいと思います。
なぜ解体工事を行うと固定資産税は高くなるの?
では、なぜ建物を解体してしまうと固定資産税は高くなってしまうのでしょうか。
実は所有する土地に建物が建っていた時、固定資産税の特例措置により支払額が安くなっていたのです。
そのため、所有する土地に建物がなくなると、本来土地に支払うべき固定資産税額に戻ってしまいます。
納税者側の感覚だと固定資産税額が上がってしまったという感覚になりますが、正確には通常の税額を収めることになる、と考えていただくと良いと思います。
固定資産税の算出方法とは?
納税者の皆さんにとって気がかりなのは、建物を解体した後に固定資産税額が上がる事と、実際にいくら支払わなければならないのかですよね。
固定資産税は以下の計算方法で算出されています。
住宅用地200㎡以下の部分(小規模住宅用地)
建物がある場合(軽減措置) | 固定資産税=固定資産税評価額×1/6×1.4% |
建物がない場合 | 固定資産税=固定資産税評価額×7/10×1.4% |
住宅用地200㎡を超える部分(一般住宅用地)
建物がある場合(軽減措置) | 固定資産税=固定資産税評価額×1/3×1/4% |
建物がない場合 | 固定資産税=固定資産税評価額×7/10×1.4% |
以上のような算出方法になります。
評価額が高ければ高いほど、建物がある場合の軽減措置の額は大きくなっているのが分かると思います。
この固定資産税評価額は、土地の場合は「路線価×地積=評価額」、建物の場合は「1単位あたりの再建築費評点×経年原点補正率×床面積×評点1点あたりの価額=評価額」という計算方式で割り出されます。
一般の方にとって、よく分からない言葉が沢山あると思います。
この評価額ですが、実は毎年の固定資産税納税通知書の中の「課税明細書」にきちんと明記されているのです。
自分の所有する土地や建物の評価額がいくらなのか気になる方は、是非それを確認して、上記の計算方法で固定資産税額を算出してみると良いでしょう。
固定資産税の賦課期日は1月1日
固定資産税額は、1月1日時点での状態で決定します。
つまり、もし1月1日を過ぎても建物があれば、その年に支払う固定資産税は軽減措置が適応された額を収めることになります。
また、1月1日よりも前に建物が滅失されていたら、次回の固定資産税は通常額を支払うことになるという事です。
ですので、もしせめて次回の固定資産税だけでも軽減措置を適応させたい場合は、1月1日を過ぎた時期を狙って解体工事をお願いすると節税になります。
また、余談ですが建物を解体した後は、1か月以内必ず法務局で「建物滅失登記」の申請を行うようにしましょう。
滅失登記を法務局で行うと、市町村にその旨が通知され固定資産税額を再度算出して納税者に通知が来ます。
この滅失登記は申請義務になっており、登記をし忘れると10万円以下の過料に処される場合もあります。
解体工事を終えて安心してしまいうっかり忘れていた、ということがないよう注意してくださいね。
⇒「建物解体後の滅失登記の必要書類・費用・注意点を解説」
「特定空き家」は軽減措置不適応なので早めに解体を
「特定空き家」とは、2014年11月19日に空き家対策特別措置法により可決された建物のことで、行政が倒壊の恐れや景観を著しく損なうと見なされた建物のことです。
「特定空き家」と見なされると、固定資産税の軽減措置が適応されなくなってしまうのです。
誰も住んでいない空き家を所有しているが、固定資産税が安くなるからと放置したままにしておくと、いずれは軽減措置が適応されなくなります。
それ以前に、そのような空き家が残っているのに、きちんとした管理が出来ていないと近隣トラブルに発展する恐れがあります。
トラブルを起こしてしまう前に、空き家は解体して綺麗な更地にしてしまう事をお勧めします。
解体工事後の固定資産税の節税対策
先ほど、解体工事の時期によって節税が出来るとご紹介しましたが、解体工事後の更地でも節税対策ができる方法があります。
まず初めに、役所の固定資産税課税台帳の確認をしてください。
もし他の方から譲り受けた土地だった場合、昔申請された情報のままだと、登記簿と現況の地積と一致していなかったり、評価額がちがったりする可能性もあるからです。
こういった登記ミスがあり、無駄に支払っている税金があると判明したら役所に相談してください。
過去5年以内の税金であれば、還付を受ける事が出来ます。
戻ってくる税金があるのは非常に嬉しいことだと思うので、きちんと自分たちでも書類などにはざっと目を通すように心がけてくださいね。
駐車場やコインパーキング
では、節税対策についてです。
更地だった土地を駐車場やコインパーキングにする方法があります。
こうする事で、土地の地目が雑種地に変わって、固定資産税を安くする事が出来ます。
また、駐車場経営をする事になるので、上手く行けば収益にも繋がり、その収入で税金を支払えば随分と家計の手助けになるのではないでしょうか。
農地転用
建物を解体した後の更地を農地転用する方法も節税対策のひとつになります。
地目が農地に変わると土地の固定資産税が、今までの数万単位からなんと数百円単位にまで安くなります。
ただ、農地転用後に放置してしまうと、農地から地目を変えられてしまうので、納税者はその農地を活用して農作業を行わなければなりません。
収穫を得られたら自分たちの食費にしたり、青空市場で販売したりすれば収入にもなります。
ただし、土地によっては、法律によって農地に転用出来ない場合がありますので注意が必要です。
解体工事後の固定資産税まとめ
建物を解体すると固定資産税が上がってしまう事は、なんとなくご存知だった方は多いのではないでしょうか。
ですが、なぜ上がるのかということを詳しく知らないという方もいらっしゃると思います。
建物解体工事にかかる費用ばかりに目が行ってしまい、固定資産税の支払いがあるのをすっかり忘れていたという事がないようにしましょう。
正しい知識を身につけて、なぜこの金額を支払う必要があるのかを理解しておく事が大切だと言えます。
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