解体工事だけでなく、工事を行う際には必ず「工期」が存在します。
工期とは、その名の通り「工事期間」の事で、契約日から工事完工までのことを意味します。
工事開始前、現場監督はその工事に行われる作業と、それに掛かる日数を書いた工期のスケジュールを依頼主に渡し、最終確認を取ってから工事を始めます。
この工期のスケジュールを「工程表」と呼びます。
工程表があれば、スケジュール通りにきちんと作業されているかを現場へ行って確認しやすくなります。
また、解体工事は、壊す際の騒音・振動や粉じん飛散などが起こりやすい工事です。
重機を使った大掛かりな作業を、工程表通りの日時でやっているかを確かめておくのも大切です。
工程表を無視して早朝・夕方に業者が好き勝手に作業していたら、クレームやトラブルの元になりかねません。
時々、この工程表を渡さず、スケジュール確認をしないまま着工する業者もいます。
しかし、工事開始前に必ず工程表を確認させてもらうようにしましょう。
解体工事の工期の目安を知っておこう
過去に解体工事を何度も請け負っている業者なら、建物の材質や大きさなどから、だいたいの工期を把握しています。
また、今ではインターネット内で工事完了までに掛かる期間などをすぐに調べる事が可能です。
自分たちでだいたいの日数を調べて、今後の工事や自分たちのスケジュール管理のための目安を知っておくと良いでしょう。
例えば、自分たちの所有する建物だとだいたい1週間ほどで終わるという事が、調べて分かったにも関わらず、業者に依頼したら2週間以上掛かると言われたとします。
その時に、なぜそんなに掛かってしまうのか、など納得のいく理由や作業工程を聞くなどして確認をとる判断材料にも出来ます。
悪徳業者の多い業界ですので、日数の掛かりすぎ、工程が短すぎるなどは、多少は疑った方が、自分たちが損をしないためにも必要な事でしょう。
契約日から工事完工まで1~2週間
解体工事にかかるだいたいの日数は、契約日から完了まで約1~2週間が目安になります。
この期間には、契約時に伝えられる解体工事期間と建物滅失登記の書類準備と届出までに掛かる期間になります。
ただ、雨・台風・雪などの悪天候により、工期を延長せざるを得ない可能性もあります。
契約時にその点は業者から確認があると思いますので、しっかりと話を聞いておくようにしましょう。
工事内容からだいたいの工期を算出しよう
先ほどだいたいの工期について説明しましたが、解体工事の工期は対象の建物によって少しずつ変わってきます。
「対象の建物によって」とはどういう意味かと言うと、「家屋の構造」のことです。
家屋の構造ごとの平均的な工期
家屋の構造には主に「木造家屋」、「鉄骨家屋」、「RC家屋」の3種類存在します。
80㎡の2階建ての木造家屋は重機で壊しやすい建物ですので、約7日間ほどで解体工事を終える事が出来ます。
対して同じ大きさの鉄骨家屋やRC家屋は、コンクリートや鉄筋を使うため、木造家屋よりも頑丈です。
そのため、木造家屋のようにすぐに壊せるものでなく、鉄骨家屋は約10日間、PC家屋には約13日間の工期を要することになります。
また、これらを重機で壊す際、木造家屋よりも大きい騒音・振動が発生するため、作業する時間帯も制限されます。
ご近所の迷惑にならないためにも、慎重な作業を必要とされる構造ですね。
解体工事のスケジュール
先ほどから何度も伝えていますが、工事のスケジュールはきちんと確認するようにしましょう。
業者に任せっきりにしてしまうと、業者が無駄に時間をかけて作業を行ったり、重要な工程をすっとばかしたりなどしても気付きにくくなります。
今回、80㎡の2階建ての家屋を解体する場合の工期をご紹介します。
だいたいの参考にしていただければと思います。
工事内容の確認、近隣挨拶
まず、着工前には必ず契約書や見積書、そして業者の現地調査をもとに工事の最終確認を行いましょう。
この時は必ず依頼主も立ち会い、契約時の内容に食い違いがないかを確かめてください。
気になることは細かいことまで確認を取って不安解消して、業者に安心して工事を任せられる状態にしてください。
確認を終えたら、近隣の方々に工事開始のご挨拶を行います。
解体工事であること、だいたいどの位掛かるかなどを業者と一緒に説明をして近隣の方の理解を得るようにします。
その時、粗品も一緒に持って行き、丁寧な挨拶を心がけましょう。
挨拶の仕方によって、その後の工事への協力を得られるかどうかも決まってきます。
外構解体
挨拶を終えたら、いよいよ工事の施工が開始します。
まずは外構解体を行います。
外構解体とは、門・塀、柵などの建物本体の周りにある構造物を取っ払う工事になります。
先に外枠を壊す事で、その後重機の搬入や廃材の搬出などの作業をスムーズに行えるようになります。
足場・養生の設置
次にだいたい丸1日かけて足場・養生の設置を行います。
業者が安全に作業が出来るようにしっかりと足場を組み、ご近所への騒音・粉じん飛散被害を防ぐために養生設置も厳重に行います。
建物本体をぐるっと囲い、本体解体に向けての下準備を行うといったイメージですね。
屋根などの撤去作業
では、次は建物本体の解体に取り掛かります。
最初は屋根瓦や屋根ふき材の撤去作業です。
高いところでの作業になるので、業者は命綱をつけ、重機を使わずに手作業で慎重に行います。
もし屋根からの落下などの事故が現場で起きてしまった場合、工事を中断しなければなりません。
これは依頼主にも迷惑をかけることになります。
また、業者の安全のためにも高所での作業は細心の注意を払って行うようにしています。
この作業もだいたい1日かけて行います。
ガラス・内装材の撤去
屋根の撤去作業の次は、ガラスや内装材の撤去です。
こちらも手作業で、約1日作業に費やします。
解体工事では、建設リサイクル法で分別解体が義務付けられています。
資材ごとに分別し、それらを適切に処分しなければ違法工事になってしまう恐れがあります。
そのため、内装で使われている窓ガラスやサッシ、ガラス、蛍光灯、安定器、畳、石膏ボードや土壁など、細かく分別し、解体を進めていきます。
構造体撤去
構造体撤去とは、内装材が取っ払われてむき出しになった柱や梁などを、重機を使用して解体撤去する作業のことです。
家屋の構造によって作業日数は少し変わってきます。
しかし、木造家屋はだいたい2日程度の期間を必要とします。
対して、鉄骨家屋やRC家屋はコンクリートや鉄筋など非常に頑丈な構造体のため、木造家屋の倍の4日間ほどかかると思っておきましょう。
基礎の掘り起こし・解体
解体工事には、建物の基礎となるコンクリートの掘り起こし作業もあります。
これも重機を使って1日作業しますが、地中の作業のためどうしても振動が起こります。
そしてこの振動は養生などでは防ぎようがなく、近隣に影響しやすい被害です。
早朝や夕方など近隣の方が家に集まる時間帯に作業をする事は控え、人が少ない時間帯を狙って作業するように業者にも注意を払ってもらいましょう。
基礎解体が終了すると、全ての解体作業は終了します。
地表のガラ・木材の破片の撤去
ここからは、解体作業によって発生した地表のガラや木材の破片の拾い集めをします。
これは業者の手作業で、半日程度で終わらせます。
整地・道路等の掃除
ゴミの拾い集めが終わった後は、現場を踏み鳴らし、土地の整地を行います。
この時、場合によっては除草剤を撒いたり、ロープや看板を設置して人が立ち入らないようにしたりします。
土地を綺麗にしたら、次は重機の出入りなどで汚れた道路も綺麗にしていきます。
道路は近隣の方も普段から使うものです。
綺麗に掃除して気持ちよく使ってもらえるようにします。
これもだいたい半日程度の作業になります。
竣工確認、近隣挨拶
ここまで終わったら、あとは依頼主に解体完了を報告して現地で最終確認をしてもらいます。
気になる点などがあれば、この時も遠慮せずに業者に色々質問しましょう。
最後に、近隣の方に工事完了の報告をしてください。
工事による振動や騒音などでご迷惑をおかけした事をお詫びし、ご協力いただいたことに感謝して挨拶周りを行います。
天候以外の理由で工期延長も?!
解体工事に限らず工事を行う時、雨や雪などの悪天候だと場合によっては、作業を中断せざるを得ないこともあります。
その場合は、業者から天候による工期延長の報告が入るでしょう。
ただ、天候以外にも中断しなければならない理由も考えられます。
地中埋設物
例えば、地中埋設物が確認された場合、工期延長になる事もあります。
この埋設物は施工前の調査では分からず、作業を開始して初めて分かる事です。
この場合、一旦作業を中断し、工期延長や追加費用が発生する可能性もありますので注意が必要があります。
ただ、業者としては埋設物が確認される事は彼らの経験上、想定の範囲内の事です。
そのため、それほど工期延長されることはないでしょう。
近隣トラブルによる工事の一時中断
埋設物よりも厄介な工期延長の理由が、「近隣トラブルによる工事の一時中断」です。
近隣トラブルが発生し、クレームが入ると最悪の場合には裁判までもつれこむ事もあります。
こうなると、1日2日の中断では済まされないでしょう。
さらに、裁判での費用まで掛かってしまい、大損してしまう恐れも出てきます。
トラブルにならないために、近隣の方としっかりとコミュニケーションをとり、意見も聞き入れて業者に対策を練ってもらいましょう。
それでもトラブルが起きてしまう事もあります。
しかし、十分な対策を練って彼らの理解を得るようにすることが大切です。
様々な理由で工期が延長する事がありますが、もし延長があまりにも長い時には要注意です。
ちょっとした作業に何日も工期を費やしてゆっくりと作業している業者は、工期延長による人件費を理由に追加費用を請求する可能性もあります。
良い業者であれば工期延長と延長する理由を事前に伝えるようにします。
しかし、何も言わずに勝手に作業する業者だった場合は、疑いを持つ必要があるかもしれません。
ビルの解体工事のはなし
解体工事は、家屋の解体に限りません。
街中に立ち並ぶビルなどの解体工事を行う事もあります。
大規模な解体工事のため、安全管理は綿密に
ビルの解体は、一般家屋よりも非常き規模が大きく、それに比例して危険性も大きくなります。
ビル解体工事を請け負う業者は、安全管理や施工計画は事細かく行い、事故のないように作業を行います。
そのため、ビル解体は全国どこの解体業者にでも出来る作業ではありません。
ビル解体の際には、綿密な施工計画による安全管理は絶対条件になります。
例えば、墜落・落下災害・火災災害の絶無や公害の防止、近隣住民に対する安全、作業員の健康状態の確認、有資格者による作業、立ち入り禁止の徹底、火器危険物の管理、近隣住民への報告など様々な方向から対策を取り、解体工事に取り掛かります。
ビル解体工事の工期について
ビル解体はまずは建物内部から解体し、重機を利用して構造体と壁を壊していきます。
最後には整地と道路の清掃を行って綺麗な状態にします。
大型重機が何台も出入りして大掛かりな作業になります。
そのため、大量の廃棄物も発生するので、その分別もきちんと行います。
家屋解体と同じく、構造によって工期が異なる
ビル解体も、家屋解体と同様で構造体によって工期が少しずつ変動します。
鉄骨造ビルなら延べ床面積50坪でだいたい10~15日、100坪の大きな建物なら20~30日程度かかります。
これが鉄筋コンクリート造ビルだと50坪で15~20日、100坪で30~40日かかり、さらには鉄骨鉄筋コンクリート造ビルだと50坪で30~50日、100坪なら60~80日かかります。
家屋解体でも構造体によって工期の長さが異なります。
しかし、規模の大きいビルだと、その期間の長さが大幅に違いますね。
工期の事前確認と進捗状況確認を怠らないこと
事前であっても、工事中であっても、工事の状況は自分たちの目でもきちんと確認するようにしましょう。
信頼している業者だからと言って、完工まで一度も現場を見に行かないなんて事はせず、業者からもらう工程表を見ながら、今はどんな作業をしているなどを見ることは非常に大切です。
例えば、スケジュール通りの作業をしていない時には、きちんと業者と連絡を取って理由を聞くようにしましょう。
先述したように業者によっては、わざとゆっくり作業する業者もいます。
完工後に追加費用を請求されるなど、理不尽なことにならないように自分たちで予防線を張っていくことも必要です。
また、スケジュール通りに進んでいる場合は、どのくらいで解体工事が終わるのかを把握できます。
そのため、今後の自分たちの予定も立てやすくなるのではないでしょうか。
やみくもに終わるのを待つよりも、終わりを見越して自分たちも動くようにしましょう。
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