解体工事は雨の日でも決行するの？

解体工事に限らず、工事は屋外で作業をするものがほどんどです。
そのため、天候によっては、その日は全く作業が出来ないまま終わってしまうこともよく起こります。
雨天時の解体工事はどうでしょうか？
作業を中断するようなイメージがあるのではないでしょうか。
今回は、雨の日の解体工事についてと、その他の天候時での解体工事についてご紹介いたします。

実は雨の日の解体工事は好都合？

雨の日の解体工事は、土砂降りや横殴りの雨でない限り中止する事はありません。
むしろ雨の日の方が都合が良いことも多々あり、歓迎されるようです。

また、雨のたびに作業を中止すると、その分デメリットも発生します。
工事を終始するということは、工期が遅延してしまうということです。

そのため、施主が解体工事後に新築工事を計画している場合など、後ろにスケジュールが詰まっていると、その都度建設会社などの協力を依頼しなければならいなど、調整が大変になります。

これは解体工事を請け負う業者側にも同じことが言えます。
次に控えている現場があるのなら、その工期を調整しなければならなかったり、工事が進まないまま職人へ給与を支払わなければならないなどのケースも発生したりと、デメリットが発生します。

ですので、施主側にとっても業者側にとっても、極力工事は遅延しない事が望まし胃という事です。

雨の日のメリット

では、なぜ雨の日の解体工事作業は好都合なのでしょうか。
それは、散水作業をせずにスムーズに作業を行えるからです。

解体工事を行う際、業者は粉じん対策のために放水しながら作業を行います。
雨の程度にもよりますが、雨の日は放水をする必要がなく作業がやりやすくなります。
また、雨の日は外に洗濯物を干している近隣の方がほとんどどいないため、その分も安心して作業を行えます。

雨の日であれば、上記のような作業員の負担を減らせ、当初の予定どおりの工事を進めることが可能になります。

雨の日の注意点

ただ、雨の日には注意点があります。
それは、雨によって足場が滑りやすくなることです。

作業員が足場を組む時や養生を施す時に雨で足元が狂ってしまい、高所から転落する恐れもあります。
このような危険性がある時は、業者の判断によっては止むを得ず作業を中断することもあります。
もし無理をして作業を続け、事故を起こしてしまうと近隣の方の印象が悪くなり、今後の作業に支障が出る恐れもあります。

業者は安全第一で工事を行うことが大切です。
梅雨や秋の雨季のように長期間にわたって雨が続くようだと、どうしても解体工事を中止しなければならない事が多くなり、工期が長くなる可能性も高くなります。
これから解体工事をお願いする方は、雨の日が続く時期は避けてお願いするのが良いでしょう。

その他の天候時の解体工事はどうなるの？

天気には雨や晴天以外にも様々な状態がありますよね。
その時は、どうするのでしょうか。
ここでは強風時と雪の日、猛暑日についてご紹介いたします。

強風の日

台風接近時や上陸時は、解体工事は延期される可能性が高くなります。
強風により、屋根や壁の瓦礫や破片が飛んで、周辺の建物を壊してしまう恐れがあるからです。
ですので、解体業者は台風接近の情報を聞いたら、すぐに台風に備えて準備をしなければなりません。

例えば、破片が現場に転がっているようでしたら安全な場所へ回収をしたり、養生や脚組みが壊れて倒れないように、ロープやワイヤーで固定したりして、被害を出さないように細心の注意を払います。

台風の多い時期は、解体工事を中断することが多くなるので、どうしても工事が遅延します。
ですので、出来るだけ時期を外して工事をお願いする方が工事はスムーズに進みます。
しかし、どうしてもこの時期でなければならないなどの理由がある場合は、あらかじめ業者に台風が接近・上陸した場合はどうするのか、遅延した場合の時の事を打ち合わせしておきましょう。
実際に台風が来た場合に、トラブルを最低限に抑えられます。

雪の日

北海道や東北などの雪国では、雪の日の解体工事についても知っておくことが大切です。

実は雪の日の作業は、解体業者にとって非常にハードな作業になります。
まず現地調査をする際に雪が降り積もっていると、現地の状況を正確に判断がし辛くなります。
また、工事を行うにしても、雪だと重機を現場まで持って来れない恐れがあり、解体業者は手解体をせざるを得なくなります。

他にも、現場に雪が積もっているようだったら除雪作業も行わなければならず、通常の作業にさらにやらなければならない事が増えます。
その結果、予定の工期の倍以上の期間が掛かってしまう事もあります。

あまりにも工期が遅延すると施主は追加で請求される事もあり、余計に費用が掛かってしまいます。
雪が降るだけで、これだけデメリットが生じてしまいます。
ですので、雪が降る時期は基本的には解体工事を依頼せず、他の季節の時期に工事をお願いするのが望ましいでしょう。

猛暑日も要注意

近年、夏の気温は上昇傾向にあり、地方によっては40度を超える猛暑日も続いています。
猛暑日では解体工事を中止することがありませんが、炎天下の中での作業になるため、作業員が熱中症で倒れてしまう可能性があります。
ですので、作業員はこまめに休憩をとりながら作業を続けることになり、少し工事の進行はゆっくりになるかもしれません。

この時期に工事をお願いする施主は、差し入れや気遣いなどで作業員をねぎらい、状況を把握して理解しておくことが大切でしょう。

解体工事の雨の日まとめ

解体工事業者の中には、工事請負契約をする時に工期を少し長めに設定したり、大まかな日程を設定したりする方もいます。
これは、天候不良を想定した上でのスケジュールです。

このスケジュール内に工事を終える事が出来れば追加請求はありません。
しかし、もし何日も工事を中断することになった場合は、追加で費用を支払わなければならなくなる恐れもあります。
ですので、契約前には天候不良時の追加請求について聞いておく方が良いでしょう。

また、施主はあまり無理な工期をお願いせず、天候という不可抗力の事態もあることをきちんと理解してくださいね。
雨季や台風の多い時期、雪国なら雪の降る時期を極力避け、スムーズな工事を行える時期に解体工事をお願いするようにしましょう。